『木曜日だった男』を読む

『木曜日だった男 一つの悪夢』

チェスタトン 南條竹則訳

チェスタトンというとブラウン神父シリーズだが、いちおうこの小説も推理小説に入るのだろうか。
無政府主義結社を摘発するために無政府主義者に扮して侵入した詩人である刑事の物語。
日曜日から土曜日までの各曜日を名乗る男の結社。
主人公である詩人の刑事は「木曜日」を名乗るので、タイトルとなっている。
最初は①意外な展開に驚き、②そのうち予想どおりになり、③さらに進むととんでもない話になっていき、④さらには「世界」についての思弁的小説となり、⑤夢オチとなる。

④で小説世界ががらりと変わってしまうのだが、それにも必然性があるので許せる。
ただ、あまりに難解で、私が理解するのはむずかしい。
宗教的な知識がなさ過ぎるからだろう、とは思う。
ただ、善とか悪とか正義とかということがキリスト教とからめて問題になっているのだろう。
構造上かなり無理筋な気はするが、小説は基本的に何でもあり。
こういう小説があってもいいんだな、と思わせる。