競馬に負けてブコウスキーを読む

最近、ブコウスキーの本を読んでいる。
ブコウスキーはアメリカの小説家、詩人。
1994年に73歳で亡くなった。
「町でいちばんの美女」や「パルプ」をだいぶ前に読んだ。

日曜日、ひどく競馬に負けた。
そういえばブコウスキーって競馬が好きだったよな、ということをふと思い出して、「パルプ」を読み返してみようと思った。
しかし、本棚に見つからない。
「町でいちばんの美女」もない。

図書館に行って、「パルプ」と「死をポケットに入れて」を借りてきた。
「パルプ」はブコウスキー最晩年の小説。
「死をポケットに入れて」は晩年の日記だ。

「死をポケットに入れて」は拾い読みするのにぴったりの本。
日記だが、エッセイでもあり、小説のようにすら読める。

「死をポケットに入れて」の中で、ブコウスキーは日中ずっと競馬をやっている。
そして、夜になると、小説を書く。
長年タイプライターで執筆していたブコウスキーだが、70歳でマッキントッシュのコンピュータを手に入れてワープロでの執筆を始めた。
コンピュータにその歳で立ち向かうことすらすごいことなのに、コンピュータを使うようになって執筆量が激増している。

タイプライターで書くのは、泥の中を歩いているようなものだ。コンピューターはアイス・スケートだ。

ブコウスキーとは競馬をやっていることと、Macを使っていることだけが似ている。
しかし、それでも読めば励まされる。
私には小説は書けないが、競馬はともに負けることができる。

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この記事を書いた人

m-betsuo(べつお)

やる気のない中年男性が、やる気を出そうとしています

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