『柴田さんと高橋さんの小説の読み方、書き方、訳し方』

柴田元幸 高橋源一郎

 

柴田さんと高橋さんの対談集と聞いたらそれは読まずにいられまい。
柴田さんが大学までそんなに小説を読んでいなかった、という話に驚き、高橋さんが大江健三郎のことを「大きい狂気を抱えている人」と評したことに、ああそうだよなあ、とうなずいた。
興味深かったのは、頭を通さずにたくさん書いたほうがおもしろい、という話。

高橋 さっきからなんどもたくさん書くっていう話をしていたのは、大量に書くと言葉が普通に言葉として機能するというよりも、むしろ身体の運動になってしまうからなんですね。

柴田さんも大量の翻訳をし、学生に教えたりもしているが、結果として頭を通さずに、無意識の部分が出てくるものが「いい」という。
書いているうちに身体が覚えてくるぶぶんはあるのだろう。
量が質を生むのかもしれない。
その他、現代小説のブックガイドとしても非常に有用。
とりあえず小島信夫と堀江敏幸の小説を読みたいなあ、と思った。
高橋さんの言うことはいつももっともだと思うが、どこかはぐらかされたり相手にうまく合わせているぶぶんもあったりする。
柴田さんの方がある種、度胸が据わっている雰囲気。