『星を継ぐもの』

ジェイムズ・P・ホーガン(創元SF文庫)

 

2028年頃の話。月の洞窟で人間の死体が発見されたが、それは5万年前の死体だった・・・
おそらくSF必読書の基本中の基本ですが、読んでませんでした。
始まりは月面の場面。ここに登場する「彼」と巨人コリエル。

二人が誰なのか、もっとあとに分かってきます。
物語の中心となるのは天才的な研究者ハント。
そして既成概念にとらわれているようにみえる生物学者ダンチェッカー。
発見されてくる様々な遺物から二人が人類や月の成り立ちについて推理していきます。
この小説はSFなのに考古学、歴史学的な興味をかき立てます。
考古学的で推理小説でSF小説。
未来から一気に過去に時間を遡行していく感覚。
タイムマシーンでラスコー洞窟の絵を描いている場面に立ち合ったような驚きを与えてくれます。
ちょうど、山賀進『地球について、まだわかっていないこと』(ペレ出版)をぱらぱらめくっていて、月が地球への原始惑星の衝突によって生まれたという「ジャイアント・インパクト」説や、地球の生物がなんども絶滅したりしたことを改めて知ったところだったので、「人類はどうやって生まれてきたのか」「月はどうして地球の衛星なのか」といったテーマに強く惹きつけられました。
壮大なほら話ですが、決してあり得ないことではない、と思ってしまうのです。