『そろそろ左派は〈経済〉を語ろう レフト3.0の政治経済学』

ブレイディみかこ×松尾匡×北田暁大 亜紀書房

 

イギリス在住の保育士でライターのブレイディさん、経済学者の松尾さん、社会学者の北田さんによる対談本。

簡単に読めるだろう、と軽く思っていたが、読み応えのあるとんでもなくおもしろい本でした。

 

ヨーロッパの「左派」は経済政策として「反緊縮」を唱えている、ということを知りました。

日本の「アベノミクス」は反緊縮的な政策です(ただし一方で緊縮政策に引きずられた中途半端なもの、と本書で批判はされていますが)。

一方、それに対抗する「左派」の旧民主党系は財政規律を重んじる緊縮財政を唱えています。

経済成長よりも国家の借金返済を重要視します。

しかし、これは「左派」の経済政策としてまずいのではないか、と三人はいいます。

 

私が勝手に師匠と仰いでいる内田樹さんがよくいっているのは、これからは経済成長など望めないのだから、ぼちぼちやっていきましょう、ということでした。

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そうだよなあ。

また、『資本主義の終焉と歴史の危機』を読み、資本主義って終わるんだなあ、と思ったり。

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しかし、三人はそういう「脱成長論」を斬って捨てます。

松尾さんはマルキシストなので資本主義を超えるシステムがあるかもしれない、と考えつつも、現時点では経済成長によって労働者階級の暮らしを改善しなければならないといいます。

左派はマルクスのいう「下部構造」である経済をあまりにも軽視しすぎているのではないか。

むしろ、左派は「アベノミクス」を超える経済成長政策を提示すべきだというのです。

 

ケインズやマルクスの経済学、欧州の政治状況、リベラルの歴史など、三人の話が補完しあって進みます。

この本を通して三人がいうのは、左派は国家やジェンダーなどについて語る前に、まず経済について語らなくてはいけない。

私は、この本により「脱成長論」から考え方を大きく変えることになりました。

もちろん別の本でもう少し経済学を勉強しなくてはいけませんが、それだけの説得力がある本です。

 

白井聡さんの『国体論』を読んだとき、白井さんの意見は正しいのは分かるけれど、それが「相手」には伝わらないのではないか、と感じました。

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「相手」に伝わるためのヒントは、この本にあるような気がします。

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この記事を書いた人

m-betsuo(べつお)

やる気のない中年男性が、やる気を出そうとしています

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