社会復帰とリハビリを兼ねて千葉市美術館で行われていた「赤瀬川原平の芸術原論 1960年代から現在まで」に行ってきました。
私にとって赤瀬川さんのイメージは
- 老人力
- トマソン
- 新解さん
- 学生のときたまたま読んだ尾辻克彦名義の『雪野』
- 冗談で贋札作って捕まった人
- 趣味人
のようなものでした。
ただし、私は赤瀬川さんのことについて、きちんと読んだり見たりしたことがなかったのですから、勝手なイメージです。
恥ずかしい。
赤瀬川さんは若い頃はとても過激な現代芸術家でした。
例えば、園子温さんが若い頃過激だったといいますが、それを超えてるような気がします。
その作品やパフォーマンスはいまでも刺激的です。
千円札の模写作品も、現代なら「アート」って言われると思います。
アートに無知な私でもウォーホールなどを知っているわけですから。
しかし、当時は犯罪となりました。
赤瀬川さんは権力に対して、パロディやずらしで対抗します。
相手は国家権力だけではありません。
朝日ジャーナルに掲載したイラストでは「アカイアカイアサヒアサヒ」と朝日の左傾化を揶揄して、掲載誌の回収に至った事件も起こしています。
赤瀬川さんの冗談は、その冗談で笑うことができない人にとってはひどく気まずいものなのです。
この展覧会、リハビリで見るにはちょっとつらいほどボリュームがあって、表面しかなぞれませんでした。
それでも、赤瀬川さんのすごさを知るには十分です。
亡くなってから知ったことが、とても情けないのですが。