薬の話に行く前に、パーキンソン病のメカニズムを少し勉強したので本から引用します。
中脳の黒質という組織に異常が生じ、ドパミンと言う神経伝達物質が減少したことによって引き起こされるのです。
黒質は脳幹部の左右に二つある小さな組織です。黒質の役割はドパミンを作り出すこと。そして、線条体という組織まで長い突起(軸索)を伸ばし、その突起の先端からドパミンを分泌して線条体に供給しています。
線条体は,ドパミンを使って,このたくさんの筋肉をうまく調節するための情報を処理し運動調節の指令を出しています。しかし、何らかの原因で黒質に異常が生じ、作り出されるドパミンの量が減ると、当然、線条体への供給も減り、運動の指令の調節がうまくいかなくなります。このため、体の動きが悪くなり、パーキンソン病特有の運動症状が現れてくるのです。
『たいせつな家族がパーキンソン病になったときに読む本』(講談社)
このメカニズムに対応してパーキンソン病の薬にはいくつか種類があるそうです。
1 ドーパミンアゴニスト
- 線条体の受容体部分を刺激し,ドーパミンが分泌されたのと同じような反応を起こさせて症状を改善する
- 効果はL–ドパ製剤に比べてやや弱い
- ウェアリング・オフ現象(一日のうちで薬の効き目に差がある)などの副作用が起こりにくい
- L-ドパ製剤を使い始める前に使用
2 L–ドパ製剤
- 脳で不足しているドパミンを補充する働き
- L–ドパとは化学物質の名前でアミノ酸の一種
- 長期服用によりウェアリング・オフなどの副作用
3 ゾニサミド
- もともと抗てんかん薬として日本で開発された薬
私が最初に処方されたのはカバサール(ドーパミンアゴニスト)でした。
朝一錠飲みます。
しばらく服用しましたが効果がなかったので、カバサールに加えてトレリーフ(ゾニサミド)が追加されました。
このトレリーフ、驚くほど値段が高い!
支払時に何かの間違いではないかと確認し、結局現金の持ち合わせがなくカードで支払いました。
次にカバサール+トレリーフに加えて、メネシット(L–ドパ製剤)を半錠。
なかなか改善されず、大学病院に紹介状を携えて伺ったりしました。
10月に入ってからはメネシットを従来の6倍の3錠に増やして(朝昼晩服用)、高いトレリーフは中止となりました。
先生曰く「メネシットトライアル月間」です。
また、抗うつ剤も心療内科から処方されたものを別途服用しているのですが、そのうちオランザピンがパーキンソン症状を悪化させるということで服用を中止することがありました。
現状として、手の震えと足の引きずりはまだ改善しません。
一方でパーキンソンの薬を飲み始めて劇的に改善したのが、うつです。
この一年以上、ずっと朝動けず、いったん起きてもソファの上で動けずに寝ていました。
それが今は朝5時に起きられるようになりました。
その分午後に疲れが出るようにはなりましたが、明らかによくなったと思います。
神経内科の先生も大学病院の先生も、それはうつではなくパーキンソン病の症状だったのではないかとおっしゃいます。
確かにそう考えるといろんなことが腑に落ちます。
もう少しパーキンソンの症状が治まれば復帰できそうな状態になってきました。
あとは薬が効いてくれればなー。