ここのところ多忙を極めていらっしゃるZABAさんと、久しぶりに夕食をともにさせていただくことになりました。
ZABAさんと食事をするということは、すなわち「飲酒する」ということになります。
たまたま、私はその日の朝から町田康さんの『しらふで生きる』という本を読み始めていました。
『しらふで生きる』のAmazonの内容紹介は、こうあります。
痩せた! 眠れる! 仕事が捗る! 思いがけない禁酒の利得。
些細なことにもよろこぶ自分が戻ってきた!
4年前の年末。「酒をやめよう」と突如、思い立ち、そこから一滴も飲んでいない作家の町田康さん。
「名うての大酒飲み」として知られた町田さんが、なぜそのような決断をしたのかを振り返りながら、禁酒を実行するために取り組んだ認識の改造、禁酒によって生じた精神ならびに身体の変化、そして仕事への取り込み方の変わるようなど、経験したものにしかわからない苦悩と葛藤、その心境を微細に綴る。全編におかしみが溢れながらもしみじみと奥深い一冊。
私は最近は自宅ではまったく飲酒していませんし、かといって外で飲む機会もほとんどありません。
取り立てて禁酒する必要もないのですが、あの町田さんが禁酒しているということを知り、その事情を知りたくて読み始めたのでした。
そんな本を読み始めたタイミングで飲むことになるのだなあ、と不思議な感じがしました。
ZABAさんはハイボール飲み放題+唐揚げ食べ放題の店に行こうといいます。
飲み放題はともかく、食べ放題は元が取れるのだろうか?
もう、若い頃のように食べられないのだし。
しかし価格をきくと1,500円。
これなら、唐揚げを食べなくても元は取れます。
行こう行こう。
唐揚げはおいしい。
結局、何度もおかわりしてしまいました。
問題は、ハイボール。
普段飲んでいるものと較べて、濃くないか?とわれわれは確認し合いましたが、酔いというものは恐ろしいもので、すぐにウイスキーの濃さなどは忘却の彼方に消えていったのです。
食べ放題以外のサラダなども頼みつつ、どうでもいい会話が進みましたが、徐々にその内容も記憶から失われていきます。
気がつけば店からの帰り道。
確か会計はZABAさんがしたはず。
われわれは若干ふらつきながら(客観的には千鳥足と呼ばれる歩行だった可能性はある)、家路についていました。
途中、駐車場を突っ切る近道があります。
道から駐車場にはおよそ1メートルほどの段差。
私は少し少年に戻っていたので「とう」などと仮面ライダー的な声を出して、その段差を飛び降りてみました。
[ZABAさんの証言]
あの駐車場のあたりは街灯が少なくて暗いのさ。
ちょうど鉄道の橋脚下に当たる部分だからね。
あのでかい男(単に背がでかいだけってことだぜ、器は小さいよ。念のため)が駐車場に飛び降りたのは見えた。
そのあと「うう」と言う声がしたんで、(稲川淳二風に)変だなーおかしいなー何かあったのかなーと私もゆっくり駐車場に降りて近づいてみたんだ。
するとあのでかい男がうずくまって「いてえよう」っていってるわけ。
この程度の段差でなにを、と見ると、顔から流血しているわけさ。
うちに連れて帰って応急処置をしてあげましたよ。
こう見えても、以前はドクターヘリ関係の仕事をしていましてね。
どんな仕事かって?
中央競馬にニシノドクターヘリって馬がいましてね、知ってる?
それでさんざんもうけさせてもら
翌日自撮りした写真(若干グロい)。
そもそも加齢による損傷の部分も多いのでわかりづらいのですが、①鼻のてっぺん②上唇付近③顎の三箇所に擦過傷を負いました。
眼鏡はフレームが曲がり、ズボンの膝には穴が空きました。
転倒した原因はよくわかりませんが、以前左腕を骨折した影響で腕を出して激突を回避するという行為を無意識にとらなかったようです。
その結果、顔面から地面に落下するという結果になったのかと。
バンドエイドを傷に貼りましたが、これでは外出しづらいので、マスクをしていきました。
周囲から「風邪ですか」と訊かれ、ええ、まあごほごほ、と返事をしておりました。
しかし何より、傷が思いのほか痛んだり熱を持ち、仕事に集中することがなかなか出来ません。
前から思ってはいましたが、飲み放題は結果的に高くつきますね。
とりあえず、町田康さんの本を読み進めるのはもう少し後にしよう。