NHK「バラエティ生活小百科」に大音楽家、キダタローさんが出ていた。
御年90歳だそうである。
元気。
というか、昔とまったく変わらない。
髪型も。
あたりまえか。
関東地方のテレビではなかなかお目にかかれなかった。
あいかわらずの脱力系笑いであった。
そしてそれを聞きながら、私はキダタローさんの芸風に相当影響を受けていることを思い知った。
どういうことか。
おもしろいだろうこの話、がはは、がはは、という巻き込み型の笑いがある。
小学校のクラスの人気者はだいたいがこれ。
子どもの頃関西に住んでいた私も、同じようにやってみたかった。
だが、技術的にも精神的にも無理。
そんなとき、芸人でもないのに笑いをとるキダタローさんに惹かれた。
無表情に淡々と、しかしくだらないことを絶妙のタイミングで言うスタイル。
これならできるかもしれない。
と、現在の自分のトークの起源を想像しているのだが、あながち外れてはいないと思う。
脱力系のお笑いは増えてきているが、キダタローさんはたまに切れ芸に持ち込む力もあり、その総合力は卓越していたと記憶している。
私の切れ芸はマジに受け取られて周りの人がみんな引いてしまう。
人格的にまだまだである。