私は映画や小説のあらすじを書いたり、ましてや話したりする能力がない。
だから他人に「あの映画見たよ」と言って「で、どうだった?」と尋ねられて「おもしろかった」で話が終わってしまう。
どうすれば町山智浩さんのようにおもしろく話せるのだろう。
だが、実際に見たり読んでいたりするときは最低限のあらすじを脳内で自分なりに作っているはずだ。
「あいつは蒲田に上陸したあと海に帰り、しばらくしてから鎌倉に再度現れた」とか。
そうでなければ、絵画か写真しか理解することができないことになってしまう。
小谷野敦さんの『文章読本X』に、あらすじを書く練習がいいと書いてあった。
確かに文章を書くにあたって、あらすじをきちんと書くというのは技術の要ることだ。
何より、ポイントを押さえて書く、と言うのは私の弱点克服にはもってこいな気がする。
トレーニングとしてさっそく実際にあらすじを書いてみると、それこそ「あら」が目立ってしまい、ああでもないこうでもないとやっていると、いつのまにか全文の引用に近くなっていく。
それはあらすじじゃないぞ、とばっさり切り捨てる、の繰り返し。
苦労しそうです。
これからは稚拙でもあらすじを書いていきますので、おつきあいください。