職場で私の隣の席に座っているのは、25歳くらいの男性。
たいへん仕事ができて、おだやかで、しかもいい男である。
非の打ち所がない。
こんな男に生まれたかったなあ、と毎日思う。
ただひとつだけ、気になることがある。
「自分」についてだ。
彼は言う。
「自分がやりますから」
「自分はこれを知りませんでした」
「自分、不器用なんで」
すみません。
最後は嘘です。
しかし、「私」とは言わずに「自分」というのはなぜだろう。
若者には「自分」という人が多くなった気がする。
自分には「自分」というと、高倉健か軍隊かYさん(礼儀正しい知人)しか思い出せないのだ。
かっこいいような気もしないでもないが、やはり違和感はあるな。
まあ、そういうところを含めてもトータルでいい男なので許すが。